インターンワーキングホリッデー等帰国者の実態活用レポート

企業による渡航経験者の評価

  • 「マーケティング・商品開発に強い」82.0%
  • 「営業・販売(接客)に力を発揮」71.8%
  • 「貿易実務に力を発揮」87.0%

厚生労働省委託事業「Global ACE®」では、海外留学経験だけでなく
現地で「働いた」経験をした日本人が、帰国後どのような力を仕事で発揮しているかを調査しました。

国内328社の人事・採用担当者へのアンケート調査からみえてきた傾向から、
特筆すべきものをご紹介いたしましょう。

1同世代と比較して優れているのは『語学力』『チャレンジ精神』『実行力』

その他、『異文化適応力』『好奇心』『コミュニケーション力』における優位性が目立っています。回答企業が「採用時に重視した」とする条件群『実行力』『コミュニケーション力』『チャレンジ精神』などとの一致をみました。

グローバル職種以外でも能力を発揮

雇用職種上位に並ぶのは『営業・販売』『マーケティング・商品開発』『システム開発・設計』など。グローバル職種に限らず多彩な部門で、世界にチャレンジしてきたバイタリティや折衝能力が活かされているようです。

自立したメンタル、優れた対人能力

採用後、半数近くの企業が『役員・管理職』においてその能力を「大いに発揮している」と回答。自己責任意識が高く自力での問題解決を図れるほか、チームにおける対人能力に一定の評価が得られました。

職種別 雇用実績&雇用意向

職種別 海外体験度の発揮度合い

回答企業の現場が明かす 海外インターン・ワーキングホリデー経験者の 働きぶり

貴社で雇用している(雇用していた)海外就業体験者について、海外体験はどのように発揮されています(いました)か? 具体的にお答えください。

  • 海外商品を日本にアレンジ。風土に合うように変えていっています。
    マーケティング・商品開発/サービス業
  • 海外の習慣やルールに関する知識があります。
    事務職/卸売・小売業
  • 現地の会計事務所経験者をヘッドハンティングしてきました。
    事務職/飲食業・宿泊業
  • 日本人にはない発想。多目的です。
    研究開発/サービス業
  • 日本のシビアな納期管理を、外国人スタッフに理解させていました。
    貿易実務/卸売・小売業
  • とにかく面白い。言葉とユーモアが人を惹きつける。
    営業/飲食業・宿泊業
  • ストレスにもかなりタフ
    営業/建設業
  • 新しいアプローチによるソリューション開発に取り組んでいます。
    システム開発・設計/サービス
  • 表面的な能率に縛られず、現実的な対応ができる。
    生産・製造/農業・林業・漁業
  • 表面的な能率に縛られず、現実的な対応ができる。
    管理職/製造業
  • 積極性があります。飛び込み営業もいとわない。
    営業/卸売・小売業

海外インターン・ワーキングホリデー経験者の採用現場で、解決すべきこれからの課題とは?

本調査では、海外就労経験が優位に働く一方で、「不足している」能力についても調査を行いました。
同世代との能力比較において不足がちだと回答があったのはおもに次の3点です。
組織への定着度   ..........................
16.1
規律性   .......................................
11.9
協調性   .......................................
11.6

これらの不足を補うため、具体的な対策を行っているかを尋ねました。

  • OJTを実施している
    30.5
  • 企業理念や仕事の意義などの理解を促す
    22.7
  • 特に何もしていない
    33.3

有効な人材育成策は、今後の検討課題であると思われます。
一方で「従来の協調性は当社では求めていない。
現状を打破する起爆剤としての力を期待している」との声も聞かれました。

企業担当者インタビュー

株式会社アブ・アウト
人事総務部次長 山田慎一様

ラーメンチェーン『山頭火』を展開する株式会社アブ・アウトでは、カナダ・アメリカ・マレーシア・シンガポール・フィリピン・台湾などに現地法人や支店を設立。今後も積極的に展開を進める予定。「当社では過去に採用実績があります。カナダの当社チェーン店でアルバイトしていたワーキングホリデー経験者の方を帰国後に正式採用したこともあります。海外就業体験者は現在、営業・販売・事務・翻訳などで力を発揮していますが、今後はさらに、海外のローカル人材の教育なども任せていきたいと考えています。海外就業体験者の特長は語学力やリーダーシップを持ち合わせていること。一方で、日本の商習慣への対応については、別途教育プログラムを設けて伸ばしていきたいと思っています。」

古河産業株式会社
人事総務部 人事課 鈴木寛平様

エレクトロニクスをはじめ航空・医療などの部品・素材の総合商社である古河産業株式会社では、東南アジア、北米に現地法人と支店を設立。今後は中南米をはじめ海外の売上比率を上げていく予定。「当社でこれまでに採用した海外就業体験者はおもに海外企業との商談で大いに力を発揮しています。また、海外取引に伴う貿易業務でも貴重な戦力となっています。今後も積極的に採用します。表面的な会話でなく思い・価値観まで含めた深みのあるコミュニケーションができる人は高く評価できますね。今後は、販路開拓やマーケティング等において国内外問わず新しいことをつくりだせる起業家精神がある人や、『世界の中の日本』という大局的な視点を有する人などに期待を寄せます。」

日本はどう取り組む?「海外インターン・ワーキングホリデー」経験人材の活かし方

一般社団法人 海外留学協議会 専務理事 林 隆樹氏
より良い海外留学環境を実現するため、日本国内外の教育機関、関係省庁、在外公館等との連携強化に取り組む。

来るグローバル社会に新風を送り込むべく、厚生労働省は平成25年度から海外で働いた経験のある若者(海外インターン・ワーキングホリデー・海外ボランティア等経験者。以下「海外就業体験人材」とする。)の能力を日本 企業で活かすためのプロジェクト「勤労青少年の国際交流を活用したキャリア形成支援事業(通称グローバルエース Global ACE)をスタートさせた。かつては「海外旅行してきただけ」と思われがちだった海外就業体験人材。今もその像は変わらないのか、そして、日本は海外就業体験人材をどう活かそうと考えているのか。グローバルエース事業委託先である「一般社団法人 海外留学協議会」専務理事の林隆樹氏に話を聞いた。

この事業の成り立ちを教えてください。

「厚生労働省の提言がこの事業のスタートです。『海外就業体験人材を社会で活かせていない現状を改善したい。国として、そうし海外就業体験者(海外インターン・ワーキングホリデー人材)に関する実態調査(平成25年度以降最新版まで)
ダウンロードはこちらから➡ http://www.global-ace.jp/research

採用ご担当者さま、最新の実態調査をどうぞご覧ください。

◎キャリア形成につながる海外就業体験とは◎海外就業体験を通して身につけた能力とキャリア形成の関係性◎海外就業体験者をどの様に採用・雇用・育成しているのか◎海外就業体験をどの様に職場で発揮しているのか◎企業と海外就業体験者の間の認識のギャップ◎キャリア形成を念頭においた海外就業体験に係る検討課題◎企業および海外就業体験者インタビュー・レポート集注目コンテンツ!(一例)た人材に能力開発の支援をし、企業にその能力を活かしてもらいたい』と。その提言を具現化した事業を受託することになったのが『海外留学協議会(Japan Association ofOverseas Studies=以下『JAOS』))です。我々は20年以上にわたり海外留学を促進してきた留学企業の同業者団体です。海外就業体験人材像を知り尽くしています。その強みを当事業に活かし、事業の運営を行っています。」

グローバルエースはどのような支援プログラムなのですか?

「渡航前・滞在中・帰国後という長期間にわたってキャリア形成の指導をするのが特長です。日本にはまだ数少ない海外就業体験人材に対応できるキャリアコンサルタントを集め、キャリア・コンサルティングを通じた指導等により渡航前、渡航中の過ごし方を改善し、帰国後に海外で習得した能力・スキルの棚卸しをサポートしています。」

支援は渡航前からスタートするのですか?

「はい。海外就業体験人材の真価が発揮されるには、出発前から目的を明確にし、現地で計画的な過ごし方をすることが重要です。語学力向上の他、異文化における対人能力、協調性、問題解決能力、現地で仕事を得るためのプレゼン力など、海外就業でこそ身につけられるスキルが多くあります。」

林さんご自身が感じる海外就業体験人材の魅力ってなんでしょうか?

「今回の調査でも明らかになったように、まず異文化に飛び込んでゆく積極性や行動力があげられます。その過程で、海外就業体験者は異なる価値観を受け入れ、協働していく協調性をも身につけています。現地での経験と苦労をとおしてタフな精神、冷静な問題解決能力も備わります。自分の常識とは異なる新しい価値観を受け入れ、日本人としてそれを消化し、自分の意志により新たな力につなげて帰国する。それこそが海外就業体験人材の持つ武器ではないでしょうか。」

帰国者インタビュー

葉山絵里奈さん

  • カナダでボランティアを中心に活動しました。ワールドパレードや雑誌の撮影などです。わからないときはわからないと勇気をもって言えば助けてもらえること、コネクションは財産になることを学びました。
  • アパレル系商社の営業事務職に就きました。カンボジアの自社工場との連携、現地カンボジア人のほか派遣している韓国人との連絡、ヨーロッパ系生地メーカーなど多彩な国々とのコミュニケーションが必要です。異文化経験は大いに活きています。

佐藤加奈さん

  • ドイツ・ハンブルクでドイツ人経営の高級和食レストランに勤務。同店からは就業ビザに切り替えてもっといてほしいと言われていました。
  • 大手人材紹介会社の外国人コンサルタントチームで、20数名の事務方リーダーに採用されました。英文ベースでの就業ルール・業務マニュアル・システムなどを作成。現在は転職し、人材育成コンサルタントとして法人向けのグローバル人材海外研修を行ったり、女性のキャリア支援プロジェクトにも取り組んでいます。

腰越翔汰さん

  • ニュージーランドの農場でフルーツピッキングをして資金を稼ぎながら8か月間の旅をしました。農場の仕事はアポなしの突撃訪問で探しました。
  • 米国系の空調系メーカーに技術営業として就職しました。帰国してからも英語力を磨き就職時のTOEIC®スコアは750です。日本企業と、中国・東南アジアの工場、米国の設計者などとの橋渡しをするのが私の役割。渡航中身に付いた “行動力”と“度胸”が役にたっています。